オリにかかったキツネ。その後、野に放たれた=6日、愛知県常滑市大谷 新美南吉の童話「ごんぎつね」の舞台になった愛知県・知多半島で6日、野生のキツネが野犬捕獲用のオリにかかった。半島内では昭和40年代にキツネが姿を消したが、十数年前から目撃はあったという。 捕まった場所は、新美が育った地区から南西約8キロにある同県常滑市の農地。体長約60センチで、しっぽがフカフカとふくらんでいた。 童話では、キツネは人間の誤解で殺されてしまう。この日、住民たちは「ごんぎつねが戻ってきた」とばかりに豚肉と鶏肉のミンチを振る舞い、オリから逃がした。 同市農業水産課は「野生生物は捕獲が禁じられているので、速やかに自然に戻した。『ありがとう』と言って帰っていったんじゃないかな」。 同県半田市立新美南吉記念館の遠山光嗣学芸員によると、知多半島でキツネがいなくなったのは、伝染病が流行したことや、野ネズミの駆除