【上海=河崎真澄】中国が鉄道の乗車券購入時に身分証の提示を求め、乗車券にも氏名を印字する「記名式」の導入を5月に計画していることが分かった。乗車時には乗車券と身分証をつき合わせて確認する。 乗車券を買い占めて高値で転売する悪質な行為の締め出しが狙いという。だが治安当局が監視する人物から一般客まで、鉄道での移動状況がオンラインで監視できる制度となり、一部には批判の声も出ている。 盛光祖鉄道相が中国共産党機関紙、人民日報のインタビューで15日までに明らかにした。「記名式」は、在来線に新幹線型の車両を走らせる「動車」と呼ばれる特急の乗車券が対象だが、さらに、新幹線型の車両が専用路線を走る「高速鉄道」や在来線にも拡大される可能性がある。 昨年の春節(旧正月)前後に広州など37の駅で「記名式」乗車券が試験導入されたことがある。6月1日の乗車券が売り出される5月22日前後に導入見込みだが、制度の周知は