鹿児島市・桜島の沖にあり、錦江湾で唯一の有人離島だった新島(しんじま)(燃島(もえじま))が、昨年6月以降、無人島になっている。 住民3人が島外に移住したためで、錦江湾に人が住む離島はなくなった。 新島は桜島の北東約1・5キロに浮かぶ小島。広さは0・13平方キロ・メートルで、県立鴨池球場の約10個分だ。1779年(安永8年)に始まった桜島の安永噴火に伴い、海底が隆起して出現。1800年、桜島から25人が移住した。 島の周囲はタイやカマスなどの豊かな漁場で、住民の大半は漁業で生計を立てた。島ではサツマイモ、ムギなどを栽培。1900年には桜洲小新島分校(後の桜峰小新島分校)が設けられ、釣りや海水浴客などでにぎわった。 新島で生まれ、戦後、桜島に移住した●瀬(しゃくせ)綾子さん(80)は「各地に集落があり、子どもたちは地引き網でキビナゴを捕まえて遊んだ」と懐かしむ。新島へ嫁いで約30年暮らした竹