ラグビーを見慣れていない人がW杯の日本代表戦を見ると、チームに外国人が多いことに疑問を覚えるだろう。ラグビーではその国に3年以上居住していると、代表としてプレーする権利を得られるのだ。 母国ではなくとも、彼らは国を背負い、誇りをもってプレーしている。そんな選手たちの胸の内に迫った『国境を越えたスクラム』から、トンプソンルークが日本代表として戦うことを決めた思いを抜粋でお届けする。 柔らかな陽射しのおかげで、寒さはさほど感じなかった。2018年12月23日、埼玉県の熊谷スポーツ文化公園ラグビー場の観客席で、私は選手たちの登場を待っていた。 シーズン当初は緑色だった芝生が、スパイクで踏みしめられて茶色に変わってしまっていた。シーズンは大詰めを迎えていた。トップリーグ昇格をかけて日野レッドドルフィンズに挑む近鉄ライナーズにとっては今シーズンのラストゲームである。 スカイブルーを基調にしたジャージ