「事件が起きると警察が捜査して容疑者を逮捕し、裁判になり、刑務所に入るという流れになりますが、一つの事件で社会はどれだけのコストを負担しているのでしょうか」=福岡市博多区、マンション管理人、坂元克行さん(67)治安維持の負担は1人当たり約2万8000円 事件が発生してまず捜査のために動くのが警察だ。平成21年に発生した刑法犯の認知件数は170万3044件、検挙件数は54万4699件だった。 警察白書によると、21年度の都道府県警の予算は総額3兆3557億円、警察庁の予算は4061億円。これを元に計算すると、治安維持にかかる国民1人当たりの負担は、約2万8000円だ。 このうち犯罪捜査にかかる費用はいくらなのか。 「捜査にかかる費用は事案によっても異なり、分からない」 警察庁はこう話すが、財務省の資料によると、20年度に国から都道府県警に支出された「捜査費」は計26億5724万円。また、「県