警察庁は9日、昨年1年間の刑法犯の認知件数を発表した。全体で132万748件で、11年連続の減少。このうち殺人(未遂を含む)は939件と、戦後初めて1千件を下回り、窃盗も98万6309件で1973年以来、40年ぶりに100万件を割った。一方で、振り込め詐欺の深刻化を反映し、詐欺が約1割増加した。 警察庁によると、殺人は戦後すぐから1960年代初めは年間約2500~3千件に上ったが、減少傾向が続いてきた。昨年は、前年より91件(8・8%)減った。窃盗は2002年をピークに減り続けており、昨年は前年より約5万4千件(5・2%)減少。空き巣などの侵入盗やひったくり、車上狙いなどの減りが目立った。 一方、詐欺は3万8326件で10・5%増えた。このうち、「オレオレ詐欺」などの振り込め詐欺は45・2%増の9210件。詐欺全体の増加分の8割近くを振り込め詐欺が占めた。(吉田伸八)