前回のコラムで元大蔵省(現財務省)事務次官、斎藤次郎が日本郵政社長に就任した人事を「仰天人事」と記した。それからわずか数日して、さらに驚かされる人事が同じ日本郵政で起こった。 同社副社長の1人に、大蔵省OBで前内閣官房副長官補の坂篤郎が選ばれたのである。また1人、財務官僚が鳩山政権の中枢を占めることになった。 鳩山政権のうたい文句は「政治主導」。天下りを含めた脱官僚が全面に打ち出された。しかし、政権発足直後から何度となく指摘してきた通り、政権公約には例外が存在していた。財務省であり、OBを含めた財務官僚たちだ。 脱官僚といいながら、官僚OBらを積極的に登用する鳩山政権。その矛盾に批判が日増しに強まっている。 将来国民の税金が投入されるような事態を招かないか 官僚と名がつくだけで蛇蝎のごとく嫌うことこそおかしな話である。官僚OBとてその人事が規制緩和をもたらし、新たな産業、サービスを生み出す