上場企業に義務づけられた1億円以上の報酬をもらう役員の氏名と金額の個別開示をめぐり、ほとんどの企業が今週から本格化する株主総会では自主公表をしない。質問が出た場合の対応も「答える」はごくわずかで、「未定」が大半だ。総会後に提出する有価証券報告書に記載すればいいためだが、“開かれた総会”との観点から疑問が残るうえ、総会が紛糾する懸念もある。 個別開示は、経営の透明性を高めることを目的に平成22年3月期から導入された。これまで報告書の提出前に公表したのは、全株主に送付する総会の招集通知とホームページに記載した資生堂だけだ。 総会で開示する義務はないが、質問が相次ぐのは確実だ。注目企業の一つが日産自動車。ゴーン社長の報酬が5億円以上といわれ、取締役12人の総額が約17億円と業界でも突出しているが、質問への対応は未定で、「ゴーン社長の考え次第」(関係者)という。 ソニーもストリンガー会長兼社長が開