「自分のしたことは、間違っていない」。奈良地裁で15日、判決が言い渡された医師宅放火殺人の調書漏洩事件。秘密漏示罪に問われた崎浜盛三被告(51)は、供述調書を見せた自身の行為が信念に基づいたものであることを再三、強調していた。一方、その信念を託されたはずのフリージャーナリスト、草薙厚子さん(44)。事件のもう一人の“主役”の姿は、傍聴席になかった。 崎浜被告はこの日午後0時50分ごろ、これまでの公判と同様、弁護人らとともに奈良地裁に到着した。口を真一文字に結び、ダークスーツに白いシャツ、ネクタイ姿。弁護人席の前に設けられた被告人席に腰を下ろすと、落ち着かない様子で午後1時10分の開廷を待った。 「被告人は前へ」。石川恭司裁判長に促され、証言台に進み出る。主文が言い渡された後、裁判長に一礼して被告人席に戻った。 「『殺人者』というレッテルをはがしてあげたかった」。崎浜被告はこれまで繰り返し、