長居陸上競技場のゲートをくぐり終えた所で野尻を抜き去り、ガメラシュミルコが2位でゴール。レースは30キロまで5キロ17分を切るペースで進んだが、ガメラシュミルコは17分10秒台と自分のペースを崩さなかった。「中間地点までは我慢して、後半にペースを上げていくのが私の戦い方」。30キロ以降のタイムは上位5人で最速。まさにプラン通りだった。 もともとはトラックの選手で、マラソンを本格的に始めたのは5歳になる長女の出産後。コーチに「素質がある」といわれ、才能が開花した。今回が3回目のマラソンとなるが、2時間24分46秒はウクライナの新記録。 「私には娘の存在がとても大きい。彼女のために練習し、彼女のために走っている」。すでにロンドン五輪出場権を得ている。日本にとって“強き母”という、新たなライバルが現れた。