【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領が、訪米中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との初会談を年末の次回訪米に先送りしたことで、米世論の批判が強まっている。大統領の中国公式訪問を11月中旬に控えての“配慮”だが、議会関係者らは「北京への叩頭外交だ」(ロスレイティネン下院議員)として、10日までのワシントン滞在中に会談するよう迫り始めた。 ダライ・ラマは5日、オバマ政権発足後、初めてワシントンを訪れた。6日には米議会を訪れ、故トム・ラントス元下院議員の人権外交を顕彰して創設された「ラントス人権賞」を受賞。超党派の議会関係者から、「同時代を生きる平和の使者では最高の人物」(ペロシ下院議長)などと賛辞を贈られた。 ダライ・ラマへの注目が高まるにつれ、会談を見送ったオバマ政権への風圧は強まる一方だ。ギブズ大統領報道官は6日、「米中の強い関係はチベットの人々の利益でもある」とした上、「会談