「イノベーションへの道筋は、オープンソースが支える」――。2017年7月7日、「IT Japan 2017」(日経BP社主催)の講演に立ったレッドハットの望月弘一代表取締役社長はこのように強調し、同社の変革戦略について語った。 冒頭、望月社長は企業が短命になりつつある現状に触れた。1960年に約60年だった企業の平均寿命は、1980年に約30年、2017年現在では20年を下回っているという。その一方で、時価総額上位に名を連ねるアップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックといった企業にも言及。「これらの企業はオープンソースのアーリーアダプター、もしくはコアユーザーだ」(望月社長)。 続いてイノベーションに必要な視点として、望月社長は次二つつを指摘。一つはソフトウエア技術を変革の原動力にすること、もう一つは外部の人材を活用することだ。「米GE(ゼネラル・エレ
Red Hat、Eclipse CheベースのWeb IDEベンダ「Codenvy」買収を発表。統合開発ツールとクラウド基盤の統合に向かう Red Hatは、Eclipse CheをベースとしたWeb IDE「Codenvy」を提供する同名の企業「Codenvy」の買収を発表しました。Red Hatはコンテナ型仮想化に対応した本格的な統合開発ツールを自社製品のラインナップに加えることになります。 Codenvyの特徴は、Webブラウザがあればプログラミングやデバッグができるだけでなく、開発中のプログラムの実行環境としてCodenvyがコンテナを提供するため、開発したアプリケーションをそのままテスト環境を経て本番環境へと容易につなげていくことができる点にあります。 Codenvyはこの環境を「workspace」と呼んでおり、本番環境と同じ環境を実現するため、Workspaceを本番環境のD
Red Hat、「OpenShift.io」発表。Webブラウザだけでチーム開発/タスク管理/エディタとデバッガ/デプロイなどを実現するクラウドサービス。Red Hat Summit 2017 Red Hatは5月2日から3日間、米マサチューセッツ州ボストンで開催した年次イベント「Red Hat Summit 2017」において、チーム開発やWeb IDE、デプロイなどを含む総合的なクラウドアプリケーション開発環境を実現するサービス「OpenShift.io」(オープンシフトアイオー)を発表しました。 OpenShift.ioは、クラウド基盤となるOpenShiftの上で、Web IDEの「Eclipse Che」、ビルドやデプロイ環境を構築する「fabric8」、パフォーマンスモニタの「Performance Co-Pilot」、そのほかOpenJDK、WildFly Swarm、Ecl
「デジタル変革もIoTも、API抜きでは難しい」ウィルモット氏 3scale API Management Platformは、もともと2007年に創業した米3scale(スリースケール)が開発、提供してきたものだ。顧客企業数は700社以上。昨年7月にレッドハットが3scaleを買収し、プロダクトラインアップへの統合を進めてきた。 3scaleの共同創業者でありCEOを務めていたウィルモット氏は、3scaleではオープンソースソフトウェア(OSS)を「信奉」しており、実際にすでに一部コンポーネントはOSS化していると語った(今年9月をめどとして全面的にOSS化する予定)。また、レッドハットという企業については「ソフトウェアの力を用いて、顧客企業の競争力を高めることに長けていると思う」と評価する。 APIへのアクセスゲートウェイ、認証/セキュリティ、利用状況の可視化、課金、開発者向けポータル
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます エンタープライズテクノロジの企業が、過去6カ月間で2割近くも成長しているにも関わらず、危機に瀕していると言われることは珍しいことだ。 そこにRed Hatの謎がある。同社は第2四半期に優れた業績を上げ、100万ドル以上の契約を55件も結んだ。 しかし世間では、企業の自社データセンターからパブリッククラウドへの移行が進むに従い、Red Hatは最終的に収益源を失うという議論が広まっている。 この懸念は、2016年のRed Hatの株価が横ばいか値下がりの傾向にある原因の1つになっている。 問題はこうだ。Red Hatは繰り返し、同社のソフトウェア(特に「Red Hat Enterprise Linux」や「OpenShift」、そして同社
昨年7月にリリースされたOpenShift Enterprise 3においても、レッドハットではコンテナオーケストレーションツールの「Kubernetes(クーバネテス)」を統合し、Dockerテンプレートを提供するなど、すでにPaaSではなく「企業向けのDocker基盤ソフトウェア」という方向性を示していた。今回の「OpenShift Container Platform」へのリブランディングは、同社のそうした意向をさらに強調するものとなる。 それでは、「10年後のビジネス基盤」としてなぜ、コンテナ基盤が必要なのか。またコンテナ基盤にはどのような機能が求められるのか。同社プロダクト・ソリューション本部 本部長の岡下浩明氏が、急速に進化し、適用の幅を広げるコンテナ技術と、最新の導入事例を紹介した。 岡下氏は、コンテナ技術はアプリケーションの「デプロイと運用を再発明する」ものであり、かつてJ
Red Hat、ローカルマシンでコンテナ開発環境を構築する「OpenShift Container Local」、開発者向けに無償提供 Red HatはPaaS型クラウド基盤ソフトウェアのOpenShiftを刷新し、コンテナ対応プラットフォームへの強化を発表しました。 OpenShiftは、コンテナに最適化されたLinux OSであるRed Hat Enterprise Linux Atomic Hostや、コンテナのオーケストレーション機能を提供するKubernetesなどで構成されるPaaS基盤ソフトウェアです。 今回の強化ではこのPaaS基盤に加え、コンテナ対応の包括的なプラットフォームとして、開発者向けのコンテナ環境を構築する「OpenShift Container Local」、テスト環境となる「OpenShift Container Lab」、そして本番環境向けの「OpenSh
Red Hatは、コンテナ対応となる分散ファイルシステム「Gluster Storage」の最新版「Gluster Storage3.1.3」を発表しました。 Gluster 3.1.3はコンテナ上での稼働が保証されます。これにより同社のコンテナ対応のPaaS基板であるOpenShiftで、アプリケーションがコンテナ上で実行されるのと同じように、ストレージもコンテナ上で実行され、アプリケーションと同様にKubernetesによるオーケストレーションで管理できるようになります。 Red HatのバイスプレジデントRanga Rangachari氏は次のようにコメントしています。 Traditionally, applications and storage have been managed through different processes and by separate teams.
Red Hatが世界的なLinux企業であることは周知の事実だ。しかし最近では、Red Hatは世界をリードするプライベートクラウド企業になろうとしている。これを実現するため、Red Hatはオープンソースの「OpenStack」によるIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)クラウドへの取り組みを進めている。 Red Hatの計画にはいくつか障害がある。まず、もっとも有力なOpenStackのクラウドオペレーティングシステムは、Canonicalの「Ubuntu」だ。IBMなどの大手テクノロジ企業もOpenStack市場の競争に参加しているし、Mirantisなどの新興のOpenStack専業企業もこの分野に参入してきている。 しかし、Red Hatはまったく手を緩めていない。Red HatはOpenStack Summitの直前になって、「Red Hat Cloud Suite」
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。 今回は、レッドハットの望月弘一 代表取締役社長と、シスコシステムズの石田浩之 データセンター/バーチャライゼーション事業部長の発言を紹介する。 「2020年に向けて事業全体の売上高を倍増させたい」 (レッドハット 望月弘一 代表取締役社長) レッドハットが先ごろ、今後の事業戦略について記者説明会を開いた。望月氏の冒頭の発言はその発表会見で、日本法人の中期における事業の成長へ向けての決意を示したものである。 望月氏はまず、米国本社の2016年度(2016年2月期)の売上高が前年
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