瑕疵担保責任に関連する民法改正で注目しておきたいもう一つのポイントが、改正法563条で規定される「代金減額請求権」である。「ユーザー企業が追完を請求したにも関わらず追完がなされないときは、不適合の程度に応じて代金の減額を請求できる」という規定は、現行の民法には存在しない。 「追完」とは、契約に適合していない部分がある場合に、適合するよう追加で対応することである。改正法563条は、「追完がなされない場合、ユーザーが不適合の度合いに応じて委託料の減額を請求できる」と定めている。 例えば、システムの一部に不具合があったとする。開発を委託したベンダーが不具合を修正できず、ユーザー企業が自社で完成させたとする。この場合、最初に委託したITベンダーに対し、不具合のあった部分の開発費に相当する費用を委託料から減額できる、ということになる。 賠償請求などの起算点が変わる 瑕疵担保責任に関する改正で、もう一