私が中高校生の頃、「マイバースデイ」という雑誌が流行っていた。 中高生の頃と言えば、30年近く前。思えば昭和の終わりを迎えたのは中学2年生の頃だった。 「マイバースデイ」を自分で買ったことはない。私のおこづかいでは、他に漫画なんかを買ってしまうと雑誌一冊買う余裕なんてとてもなかったからだ。そんな「マイバースデイ」には、少女の大好物がすべて詰まっていた。正統派少女漫画風の表紙。占い。「両思いになれる」「願いが叶う」おまじない。西洋占星術。ホロスコープ。星座。タロットカード。予知夢。超能力――。神秘的で魅惑的で、だけどとびきり怪しい異世界。友人の家なんかにあると、ドキドキしながらページをめくったものだ。 突然そんなことを書いたのは、『占いをまとう少女たち 雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ』(橋迫瑞穂 青弓社)という本を読んだからだ。タイトル通り、マイバースデイを研究した本である。なぜ