台風19号で地下部分が浸水した川崎市市民ミュージアム(同市中原区)で、地下にある所蔵品を収めた九つの収蔵庫すべてが浸水被害を受けていたことが明らかになった。18日、市が会見で発表した。 同ミュージア…
ブラジルのリオデジャネイロにある国立博物館で2日、火事があり、200年の歴史ある建物がほぼ全焼し、2000万点以上あった収蔵品の多くが失われました。 博物館は1818年に、当時のポルトガルの王が、エジプトの美術品や恐竜の化石など、みずからの収集品を集めて設立したもので、現地の消防によりますと、この火事で200年の歴史ある建物がほぼ全焼しました。 また、博物館には南米の先住民のミイラや植物の標本など貴重な資料が集められ、南米の自然史や人類学などを研究する重要な拠点となっていますが、2000万点以上あった収蔵品の多くが失われたということです。 消防によりますと、火が出た時、博物館の一般公開は終了していて、従業員なども外に避難したため、けが人はいないということです。 博物館は老朽化が進み、修繕工事の必要性が指摘されていましたが、おととしのリオデジャネイロオリンピック以降予算が削られ、工事が進んで
印象派や現代アートなど約1千点の幅広いコレクションで知られるDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)が、安土桃山時代の絵師・長谷川等伯作の国の重要文化財を含む日本画の名品を、すべて譲渡(売却)する方針を決めたことが15日、わかった。同館は「新たな収集方針の策定に伴うもの」と説明している。 同館の日本画作品は、等伯や尾形光琳の近世絵画、横山大観や上村松園らの近代日本画など約20点ある。いずれも名品ぞろいで来館者の人気も高かったが、昨年12月に公開を終了。今後、国内の美術館や博物館、個人に全点を譲渡する。 これらの作品の中で最も貴重とされているのが、国の重文に指定されている等伯の「烏鷺(うろ)図屛風(びょうぶ)」だ。縦約150センチ、横約350センチの左右一つの屛風は、左の黒い烏(からす)と右の白い鷺(さぎ)の対照が見事な晩年期の傑作で、同館最初の所蔵作品だった。 文化財保護法は文化財の所有者が変
山本幸三・地方創生相が16日、大津市内のホテルで開かれた滋賀県主催の地方創生セミナーで、文化財観光の振興をめぐり見学者への案内方法やイベント活用が十分でないことを指摘し、「一番がんなのは学芸員。普通の観光マインドが全くない。この連中を一掃しないと」と発言した。 学芸員は博物館法で定められた専門職員で、資料の収集や保管、展示、調査研究などを担う。今回の発言はセミナーでの講演後、滋賀県長浜市の藤井勇治市長から「インバウンド観光振興について助言を」と質問された際にあった。外国の有名博物館が改装した際のことを引き合いに出し、「学芸員が抵抗したが全員クビにして大改装が実現した結果、大成功した」などとも述べた。 セミナー後の記者会見で、山本地方創生相は「新しいアイデアに、学芸員は『文化財だから』と全部反対する。学芸員だけの文化財でやっていると、これから観光立国で生きていくことができない。『一掃』は言い
「AKIRA」「童夢」などで知られる漫画家・映画監督の大友克洋さんが、18日から東京・上野の東京都美術館で始まる「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」に合わせて、原画を大胆に新解釈した絵画作品「INSIDE(インサイド) BABEL(バベル)」を発表する。塔にざっくりと切り込みを入れて、構造や中でうごめく人々、建設作業を想像し、ちみつに描き出した。完成作の展示を前に、大友さんが語った。 ブリューゲルのこの「バベルの塔」は、建築物としてかなり完成に近づいている。「中はどうなっているのか。カットして中を見たら面白いんじゃないか?」と考えたのが始まりです。 準備のため、オランダ・ロッテルダムのボイマンス美術館で原画をつぶさに観察し、学芸員に話を聞きました。ウィーンの美術史美術館でも、ブリューゲルが描いたもう一つの「バベルの塔」(1563年作)を見、ベルギー・ブリュッセルの王立美術
台湾で初の慰安婦博物館が10日、台北で開館した。女性人権団体「婦女救援基金会」が設立したもので、慰安婦制度などの説明や元慰安婦らについての展示がある。開館式に出席した鄭麗君文化部長(文化相)は「同じ間違いを繰り返さないために痛みに向き合う必要がある」などと述べた。 博物館の正式名称は「おばあちゃんの家―平和と女性人権館」で、慰安婦を中心とした女性の人権をテーマに据えている。カフェを併設しているほか、ワークショップなどを開く空間もあり、人権教育の拠点を目指していくという。 第2次大戦終戦まで日本の植民地だった台湾でも慰安婦が集められた。同会は台湾の59人を元慰安婦と認定したが、今も存命なのは3人となっている。このうちの一人、陳蓮花さん(92)が開館式に出席して博物館を見学した。 博物館は台北の中でも古くから栄えて観光客にも人気の迪化街に位置しており、築90年超という3階建て、広さ約500平方
2015年1月、東京・世田谷で開催されたマンガ家・岡崎京子初の大規模展『戦場のガールズ・ライフ』。初期作から代表作まで約300点が一堂に会し、小沢健二が会場でシークレット・ライブをおこなったことも大きな話題を呼んだ展覧会が7月、いよいよ関西に登場する。 © 岡崎京子『リバーズ・エッジ』/宝島社 作品だけでなく、その存在自体が80〜90年代ポップカルチャーの最前線だった岡崎(まさにアイコン)。しかし、1996年に交通事故に遭い、現在も自宅療養中で、すでに20年にもわたり執筆活動は止まったまま。にも関わらず、未刊作品の出版や復刊が相次ぎ、2012年には沢尻エリカ主演で映画化(『ヘルタースケルター』)されるなど、今なお絶大な人気を誇っている。 © 岡崎京子『東京ガールズブラボー』/宝島社 岡崎のマンガ家としてのスタートは、自販機本と呼ばれていたエロ本のイラスト。女子高生作家として桜沢エリカらとと
奈良時代に平城宮で酒や酢の醸造を担った役所「造酒司(ぞうしゅし)」跡で出土した木簡(重要文化財)75点を3期に分けて公開する特別展「地下の正倉院展」(読売新聞社など後援)の第2期展示が先月31日、奈良市の奈良文化財研究所平城宮跡資料館で始まった。 注目は「臭い酢、ネズミが入っている」と書かれた木簡(長さ10・6センチ)。これまで表に「臭酢」などと書かれていることは分かっていたが、最近の調査で、不明だった文字が「鼠(ねずみ)」と読めることが判明した。 木簡には、「臭酢鼠入在」と書かれたとみられ、酢の入ったカメにネズミが落ち、異臭を放っていた様子を記したらしい。裏には「臭臭臭臭臭」と繰り返し書かれており、よほどのニオイだったことがうかがえる。 馬場基・主任研究員は「造酒司には米やこうじが大量にあったはずで、ネズミも巣くっていたのだろう。表には出てこない歴史を伝える面白い木簡を、ぜひ“チューイ”
「『ピースおおさか』見方・歩き方ガイドブック」を手にする冨井恭二さん=7月、大阪市 展示物から旧日本軍の加害行為や「侵略」の表現をなくし、4月にリニューアルした戦争博物館「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、大阪市中央区)を批判的に見てもらおうと、改装内容に要望を出してきた教員らが「『ピースおおさか』見方・歩き方ガイドブック」を作成した。 社会科の元高校教諭 冨井恭二 (とみい・きょうじ) さん(68)ら現役、OBの教師ら5人による作成委員会が編集。「二度と戦争を起こさないための平和学習を」と副題を付け、A4判約40ページにわたり新展示の「不備」「誤り」を具体的に指摘、説明を加えている。 団体見学の小中学生を引率する教員らに向け千部作成した。大阪市内の公立小中約400校に無料配布を始めている。 作成委によると、新展示は「子ども」目線をうたっているが、見学の通路が不明確で、パネルの文字も
橋下徹市長、大阪城天守閣は「後から作った偽物」職員青ざめる 2015年7月31日21時25分 スポーツ報知 写真撮影で笑顔を見せる中村勘九郎(右)と橋下市長 大阪市の橋下徹市長(46)が31日、「大坂の陣400年記念 大阪平成中村座」(10月25日~11月26日、大阪城西の丸庭園内特設劇場)に出演する歌舞伎俳優・中村勘九郎(33)の表敬訪問を受けた。 橋下氏は2010年秋に行われた前回の「大阪平成―」を観劇。12年に亡くなった勘九郎の父・中村勘三郎さん(享年57)とは親交があったといい、文楽協会に対する市の補助金削減問題の際には「方向性は間違ってない」と、共通の知人を介して勘三郎さんから激励されたことを明かし「お父様には心強いエールを送っていただいた」としみじみと思い返した。 今回の公演会場には、勘三郎さんの目をかたどった「隠れ勘三郎」というマークを18か所設置。勘九郎が「冗談ですけど、
東京都現代美術館(東京都江東区)で開催中の子ども向けの企画展で、現代美術家・会田誠さん一家による文部科学省への批判を書いた作品について、館側が会田さんに改変などを要請していたことが24日、わかった。子どもにふさわしくないなどとする館側に対し、会田さん側からは現状のまま展示できない場合は撤去もありえるとの考えが示されている。 企画展は18日に始まった「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展。夏休み向けに館が企画し、4組の作家が参加している。会田さんは、妻と中学生の長男と共に「会田家」として参加。3人が感じている学校制度への不満などを、白い布に毛筆で「文部科学省に物申す」と書き、「もっと教師を増やせ」などと訴える作品「檄文(げきぶん)」が問題視されている。 都生活文化局の担当者は「会田さんの展示全体として小さい子どもにはどうなのかという声が美術館と都側から上がり、展示内容の見直しを要請
大阪市は、大阪人権博物館(リバティおおさか、同市浪速区)を運営する公益財団法人に対し、博物館が立つ市有地の明け渡しと今年4月以降の賃料相当の損害金月約250万円の支払いを求めて、23日にも大阪地裁へ提訴する。財団側は争う構えだが、市と大阪府は2013年度から運営補助金も全廃。閉館に追い込まれる可能性が出てきた。 リバティおおさかは1985年、府や市、部落解放同盟府連合会などが出資する財団によって開設された。部落差別問題のほか、ハンセン病患者や人種差別、いじめなどの人権問題をテーマにしている。当時の写真や当事者たちの証言ビデオなどが展示され、性的少数者(LGBT)の人権問題にも取り組んできた。修学旅行や研修など、開館30年で利用者は延べ約153万人に上る。 市は開館以来、小学校跡地の市有地約7千平方メートルを無償で貸与してきたが、橋下徹市長が進める行財政改革の一環で、無償契約は今年3月末で打
大阪市が、同市浪速区の人権啓発施設「大阪人権博物館(リバティおおさか)」を運営する公益財団法人に対し、市有地からの同館の退去を求めて、今月下旬にも大阪地裁に提訴する方針を固めたことがわかった。展示内容の変更などを巡って意見がくいちがい、市は無償貸与してきた市有地を4月から有料化したが、財団が支払いに応じなかったという。閉館に追い込まれる可能性もあり、財団は「訴訟は遺憾」としている。 同館は、大阪府や市、部落解放同盟府連合会などが出資する財団法人・大阪人権歴史資料館(1982年設立、現・大阪人権博物館)が85年に開館した。 「人権問題の生きた教材、学習の場を提供し、広く人権意識の啓発の場としていく」ことを目的に、展示室やホール、研修室を備え、人種や障害、病気などを理由に差別を受けてきた人々の主張を紹介する映像や文章など約3万点の資料を収蔵。市は開館以来、市有地(約7000平方メートル)を財団
親子2世代にわたって愛されている絵本「しょうぼうじどうしゃじぷた」(福音館書店)のじぷたが17日から千葉県御宿町実谷の消防自動車博物館(鶏卵牧場内)に展示された。博物館を運営している会社員鈴木靖幸さん(56)=東京都板橋区=が子供たちの夢を実現させたいと、古い小型消防車を探し出してレストア(復元)した。 この絵本は1963年に最初に刊行され、今でも版を重ねている人気作品。小さな消防車が自分の特性を生かして活躍する物語が、子供たちに受けている。 展示された車は59年製で、名古屋市の工場で自衛消防隊の消防車として使われてきた。廃車となり、東京都板橋区内で保管されていたものを探しだし、バラバラにして部品を磨き、色を塗り直して整備した。 元々、じぷたに似た姿だったが、フロントのホースなど、絵本に合わせて再現した。エンジンや方向指示器、サイレンや鐘なども動く。ただし、じぷたが右ハンドルなのに対し、こ
大阪市が、市水道記念館(東淀川区)で飼育する天然記念物イタセンパラの人工繁殖事業を7月で終えることがわかった。2005年7月から10年計画で取り組んでいたが、経費削減で記念館が休館し、事業も継続しないことにした。当面は飼育するが、数年後には死滅する見通しだ。専門家からは、希少生物の保護に自治体や国が積極的に関わるよう求める声が上がっている。 イタセンパラは、淀川水系や岐阜県・愛知県、富山県の3地域に生息するが、数は激減、環境省が絶滅危惧種や国内希少野生動植物種に指定した。種の保存法に基づき、施設内での人工繁殖といった保護増殖事業が3地域で進められている。 同記念館では05年にイタセンパラの同事業を環境省に申請し、現在、約800匹を飼育。しかし、大阪市の橋下徹市長の市政改革で運営が見直され、12年4月に休館が決定した。 1995年の開館後、淀川水系の魚や水草などの生物約160種を飼育、一般公
日本人の精神をキリスト教と比較させて論じた『武士道』などの著作で知られ、国際連盟事務次長を務め、国際的にも活躍した新渡戸稲造(1862~1933)の遺品や蔵書などを展示する、青森県の十和田市立新渡戸記念館(新渡戸常憲館長)が存続をめぐって揺れている。 同館は、新渡戸稲造の蔵書の寄贈を受けた新渡戸文庫のあった同市の敷地に、1965年に設立され、盛岡藩士だった新渡戸の祖父、傳(つとう)が開拓した郷土の歴史や、新渡戸の遺品や蔵書、直筆の書、業績をめぐる展示など、資料約8000点が展示されている。 しかし今年4月、市から建物の耐震強度不足を指摘され、現在は休館状態となっている。河北新報など地元紙の報道によると、市は6月末で廃館とし、館員全員を解雇、今年度中に建物を解体する方針を示しており、12日から始まる市議会で、同館を廃止する条例を提出する姿勢を示している。 これに対して同館は、性急な判断で十分
大阪市の第三セクターが運営する水族館「海遊館」を民営化するための議案は、野党内にも、民営化による水族館周辺の活性化に期待する意見が強まっていて、いまの市議会で可決される見通しです。 「海遊館」を運営する第三セクターの筆頭株主の大阪市は、保有するすべての株式1万株を24億8000万円で「近鉄グループホールディングス」に売却するための議案を、いまの市議会に提出しています。 これについて、大阪維新の会は、「民間で運営できるものは、民間に任せるべきだ」として、ただちに可決させたい考えですが、過半数を確保していないため、自民党など野党側の協力が不可欠です。 一方、自民党や公明党の中にも、「施設の更新費用などを市が負担し続けるのは得策ではない」として、民営化による水族館周辺の活性化に期待する意見が強まっていて、議案は、いまの市議会で可決される見通しです。 「海遊館」は、20年余り前に、港区の天保山エリ
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