河村建夫官房長官が先月17日の記者会見で自殺対策を「お涙ちょうだいの議論」と話し、自殺防止活動に取り組む全国35団体から発言の真意を問われて陳謝していたことが分かった。自殺対策に取り組む福井県のNPO「心に響く文集・編集局」の茂幸雄理事長は「発言を聞いて耳を疑ったが、長官から前向きな返答もあった。自殺対策の必要性をもっと訴えてほしい」と話した。 発言は民主党の鳩山由紀夫代表が党首討論で触れた自殺対策に対してあり、「お涙ちょうだいの議論をやるゆとりはないのではないか」と話した。関係者によると、先月24日に首相官邸で連名の質問書を渡したNPO「ライフリンク」(東京都千代田区)の清水康之代表に、河村長官は「皆さんに厳しい思いで受け止められたことはとても残念で、申し訳なかったと思っている」と謝罪した上で、「自殺対策は大きな課題で看過しちゃいけない」と述べたという。【大久保陽一】