「身を切る」とした公務員削減と賃下げ、大阪市での「思想調査」…。さまざまな形であおり立てられている公務員バッシング。公務員を批判すれば政治はよくなるのでしょうか。いまなぜ公務員バッシングか。そのねらいと構造はどういうものか。神戸女学院大学の石川康宏教授に聞きました。(聞き手 行沢寛史) いま公務員バッシングを、少なくない市民が応援するような状況が生まれていますが、それはこの社会にとってたいへん危険なことだと思います。この問題を正確にとらえるには、まず公務員バッシングを積極的に行っている財界や政府のねらいを見ておく必要があります。 責任なすりつけ 公務員バッシングが受け入れられている背景の一つが、貧困と格差の広がりです。その最大の要因は、財界と政府がすすめてきた「構造改革」路線です。非正規雇用労働者が増大し、社会保障が切り捨てられました。それによって財界は巨大な利益をあげました。 しかし、こ