11月9日、共同通信の取材で神奈川県座間市のアパートを訪れた(記事は配信されているので読める方はぜひ)。 9人の遺体が発見された、あのアパートである。 線路沿いのアパートは若者が好みそうな小綺麗な建物で、通りを隔てた場所には花やお菓子や蓋を開けたペットボトルのジュースなどが供えられていた。線路のわきには一面のススキが風になびいていて、近所の猫がそれにじゃれついていた。秋晴れの、のどかな午後。しかし、アパートに張り巡らされた警察の黄色い規制線と、2階の外廊下を覆うブルーシートが、ここが事件現場であることを伝えていた。 20代の頃、私は自殺系・自傷系サイトのオフ会にたびたび参加していた。2000年頃、ネットが普及し始めたばかりの時期の話だ。参加者の多くが10代、20代の女性。居酒屋で数十人がわいわい語る光景は、端から見たらただの若者の飲み会に見えたと思う。だけど、ほとんどの参加者の手首にはリス