学校教育法、地方教育行政組織法、教育職員免許法など教育関係三法改正のための審議が、参議院文教科学委員会で大詰めを迎えている。15日の中央公聴会開催後に採決の運びとも伝えられているが、改正法案には、以下のとおり、見過ごすことができない問題がある。 改正法案では、新たに10項目にわたる義務教育の目標が設けられ、「我が国と郷土を愛する態度」(学校教育法21条3号)など、国や地方公共団体が本来その内容を一義的に決定するには適さない、多様で多義的なことがらが掲げられている。しかし、義務教育の目標がこのような形で学校教育法に定められた場合には、本来多様であるものが、公の立場からする一義的なものとして、教育の現場では子どもに教えられて、その結果、子どもが自主的自律的に、一人の人間として成長発達して、自己の人格を完成実現させていくことを妨げ、子どもにとっての学習権の保障に反することになりかねない。