韓流ドラマやKポップのファンというわけではないが、韓国へ行くたび、赤いネオンでライトアップされた教会が多く目につくことを興味深く思っていた。 韓国ではキリスト教徒の全人口に占める割合は約3割。世界最大のプロテスタント教会はソウルの汝矣島(ヨイド)にあり、所属信者は75万人以上だというから驚いてしまう。 キリスト教はどのような歴史をたどって韓国社会に受容されたのか。現在信者が多いとはいえない日本と、何が違っていたのだろうか。 朝鮮半島に最初にキリスト教が伝播(でんぱ)したのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、イエズス会士が従軍祭司として渡った時だという。しかしこの史実は韓国では心理的に受け入れられず、最初の受洗者は清への朝鮮使節だった両班(ヤンバン)、李承薫(イスンフン)とされる。外国人による布教ではなく、知識階級が自発的に学問を通じて摂取したことが韓国教会のアイデンティティーとなっているのだ。 プ